久坂部羊 無痛(2006) ★★★★

前作「破裂」を読んでよかったのでまた買った久坂部羊の本です。

患者を見ただけで病気が分かってしまう医者を主人公にしたサスペンスです。ちょっとぐろい表現もあります。

破裂」は終末期医療や高齢化社会を問うた本で,とても考えさせられる内容だったのですが,今回の「無痛」は刑法39条,いわゆる「心神喪失者は罰しない」っていうアレについてがメインで,やっぱりこれもとても考えさせられる作品です。

最近現役の医者の書いた作品ってのを結構読んでて(と言っても作家的には海堂尊とこの久坂部羊の2人だけですが),エンタメ色の強い海堂尊とは違って,この久坂部羊は「破裂」「無痛」と読んだ感じ,とても重い社会派なお話が多いです。2人とも現役の医者って事で医者視点の話が多いというのは共通しています。

「破裂」もかなり黒い終わり方でしたが,ちゃんと物語として完結していました。しかし,この「無痛」は消化不良な部分が結構あって,とてももやもやして後味があまりよろしくなかったところがありました。その分「破裂」の方が上かなと思いました。


無痛 (幻冬舎文庫)

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