海堂尊 ブレイズメス1990(2010) ★★★★

ブラックペアン1988」の続編です。タイトルの通り,前作から2年後の東城大学病院を舞台としています。前作と同じ特徴的な黒の装丁が目立ちます。

前作から1年半の外部での研修を経て佐伯外科に戻ってきた外科医3年目の研修医・世良雅志を主人公とした話は,「チーム・バチスタの栄光」でも登場した,垣谷講師に同伴し,モナコに向かうところからスタートします。「ダイレクト・アナストモーシスという独自の技術によって一人の患者も死なせた事がないという,モナコのモンテカルロ・ハートセンター外科部長の天城雪彦の東城大学への招聘」という佐伯教授からの蜜命を帯びていた世良は,天城に出会います。しかし,実は天城は患者に全財産の半分をカジノで賭けさせ,それに勝つ事のできる運の強さを持った患者からの依頼のみを請け負い,カジノで勝った分の半分(最初の全財産の半分)を受け取っているという極度のカジノ狂いで拝金主義である事が判明します。その事を本人から公言された世良は,東城大学医学部の根底を揺るがしかねないこの天城を連れて帰るか迷いながらも,その手術を目の当たりにした後はその技術にほれ込みます。そして,ギャンブルでの勝負の末,天城の説得に成功。2人で日本に帰国します。天城の医者としての倫理観に乏しいと思われる言動や,他者との衝突を厭わない性格から,垣谷をはじめ海堂作品に多数登場する(若い頃の)高階や黒崎との衝突に世良も巻き込まれてしまいます。一体佐伯外科はどうなっていくのか?天城を招聘した佐伯教授の意図は?

相変わらずの海堂節というか,非常にカタカナの横文字が多い,ちょっと酔ったような厨二チックな表現が多いですが,バチスタシリーズや他の海堂作品にも登場する人々や東城大学病院の過去の話が前作に引き続いて読めるので,ファンは楽しく読める本だと思います。はっきりしたキャラクターたちがテンポよく話を進めてくれるので,いつもの海堂作品のような前半のだるさはあまり感じませんでした。まだまだこれからというところでこの作品は終わってしまうので,きっと続編があるのだろうなとは思っていましたが,つい先日その続編である「スリジエセンター1991」が発売されたので,買ったけどまだ積んだままの私としても早く読みたいなと思っているところです。


ブレイズメス1990 (講談社文庫)

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