奥田英朗 我が家の問題(2011) ★★★★

家日和」と同様,奥田英朗の「家族」をテーマとした短編集です。様々な家族が抱える問題を,重くせずほほえましいタッチで描いた,読みやすい作品です。

何でも尽くしてくれる妻に逆に窮屈になってしまい,家に帰りたくなくなった新婚の夫の話「甘い生活」,もしかしたら夫が仕事がすごくできないんじゃないかと気付いてしまった妻の苦悩の話「ハズバンド」,両親が離婚するかもしれないと気付いてしまった女子高生の娘の話「絵里のエイプリル」,突然宇宙人と更新できるようになったと語りだした夫が狂ってしまったのではないかと悩む妻の話「夫とUFO」,新婚で里帰りをどちらに何日くらい行こうか悩む話「里帰り」,ランニングに目覚め,のめり込んで行く妻を持つ夫の話「妻とマラソン」の6つが収録された短編集です。

いつも通り非常に読みやすい奥田作品です。奇抜な設定はなく,平凡な家庭の平凡な悩みを軽めに書いています。サラサラ読めるので,ちょっと時間の空いた時に気軽に読めます。


我が家の問題 (集英社文庫)

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