ダン・ブラウン 天使と悪魔(2003) ★★★★★

秘密結社イルミナティをテーマにしたダン・ブラウンのサスペンス小説です。映画は「ダ・ヴィンチ・コード」の続編として作られましたが,原作は「ダ・ヴィンチ・コード」よりも前に作られています。よって,ロバート・ラングドンシリーズとしてはこの原作は第1作となります。

「ダ・ヴィンチ・コード」と同様に映画はTV放送で見ましたが,「ダ・ヴィンチ・コード」と同様,原作を読んでいないと全く訳が分からない上に,読んでいても非常につまらないですね。ハサシンがインテリメガネイケメンになっていたり,いろいろツッコミどころはあるのですが,ほぼ原作通りだった(けど原作を読んでいない視聴者は完全置いてけぼりだった)「ダ・ヴィンチ・コード」と異なり,「天使と悪魔」の映画は原作からストーリーがかなり改変されており,視聴者が分かりやすくはなったものの,この事件の背景がほとんど省略され,ただの薄っぺらいサスペンス映画となっています。「ダ・ヴィンチ・コード」は見るのが苦痛なレベルの駄作だったのが,「天使と悪魔」は何とか見る事はできるレベルの駄作に進歩したという感じでしょうか。もうこのシリーズの映画化はやめるか,監督のロン・ハワードをクビにするかした方がいいと思うのですが,3作目の「ロスト・シンボル」もまた懲りずに映画化するようです。ロン・ハワードはもうこのシリーズの監督はやりたくないと言っているようですが,どうなるのか…。

ハーバード大学の教授で宗教象徴学の専門家,ロバート・ラングドンはある日セルンの所長マクシミリアン・コーラーに呼び出され,セルンの施設内で殺害された研究者,レオナルド・ヴェトラの体に残された刻印についての見解を求められます。ラングドンはその刻印が秘密結社「イルミナティ」のものである事を断定。レオナルドの娘で同じく研究者であるヴィットリア・ヴェトラから,最近レオナルドが恐ろしいエネルギーを秘めた反物質を生成できた事,その反物質が盗まれている事を知らされたラングドンは,消えたはずのイルミナティの存在をいぶかりつつも,ヴィットリアと共にローマに向かいます。そのローマではちょうど新しい教皇を決める選挙(コンクラーベ)の真っ只中であるにもかかわらず,新しい教皇候補(プレフェリーティ)の4人が行方不明となっており,コンクラーベの進行をどうするかについて話し合われていました。そんな中,前教皇侍従(カメルレンゴ)の元に,イルミナティを名乗るレオナルド殺害犯から電話があり,プレフェリーティを全員誘拐した事,そしてこれから1人ずつ順番にプレフェリーティを殺害するという連絡が入ります。そのメッセージに隠されたヒントに気付いたラングドンは,プレフェリーティの殺害を止められるのか?核物質をも凌駕する破壊力を持つ反物質によるヴァチカンの崩壊を止められるのか?というサスペンス作品です。

映画は紛れもない駄作ですが,原作は「ダ・ヴィンチ・コード」と同じく非常におもしろいです。時間制限のある中,謎解きを進めるスリリングな展開に読む手が止まりません。映画の駄作感にとらわれて読んでいない人は非常に損をしてますので,ぜひ一度読んでみてください。


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