毎度間隔が空きまくってほとんど月1更新となっており,ちゃんと見ている人がいるのか分かりませんが,前回の続きです。ヴェネツィア編その3,最終回です。
昼食をとった後,あの酷かった雨も止んでゴンドラも再開したとの事で,ついにゴンドラ遊覧に向かいます。
という訳でヴェネツィアの伝統的手漕ぎボート・ゴンドラに乗り込みます。船の長さは10m以上あり長いのですが幅は短いです。こんなデカイ船でヴェネツィアの細い水路を,ゴンドリエーレ(船頭)がたった1人でオール1本で器用に操作します。ゴンドリエーレは遊覧中ほとんど前後のゴンドラのゴンドリエーレとイタリア語おしゃべりばっかしていてマジメにやっているのか疑問ですが,とりあえず他のゴンドラに衝突したり転覆したりはしませんでした。ラテンの陽気な性格は他のイタリア人同様なのですが,遊覧中席を立とうもんならものすごい勢いで激怒して怒鳴ります。「No no no no no!!!!! It’s danger!!!!!」と,写真を撮ろうとして動いた旅行者に烈火のごとくキレているのを見ました。普通のマナーの良い人に対してはもちろんそんな事はないのでちゃんとおとなしく乗りましょう。
ゴンドラに乗ってから振り返るとサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が見えます。せっかくの楽しい時間を消し飛ばされては困るので今回はサン・ジョルジョ・マッジョーレ島には近付きません。
ため息橋です。なぜため息橋という名前なのか?なかなか会えない恋人をこの橋から眺めていたから…などというロマンティックな理由では決してありません。この橋はドゥカーレ宮殿の尋問室と牢獄を結ぶ橋であり,牢獄に入れられる前にヴェネツィアの美しい景色を見られる最後の橋。刑を執行される囚人がため息をつく…という事でため息橋と呼ばれているそうです。ドゥカーレ宮殿から橋内部や牢獄も見られます。私ももちろん見ました。
ヴェネツィアの水路は人だらけのサン・マルコ広場や表通りとは違い,ものすごく静かで穏やかに時間が流れます。ヴェネツィアの町並みをまた違った角度から見られますので,ヴェネツィアに来たならば絶対に乗りましょう。願わくばもっと天気が最初から良くて水がこんな濁っていなければ…と思わずにはいられませんが,あの荒天からゴンドラに乗れただけでもよしとしましょう。
のんびりゆったり進むゴンドラも,残念ながら30~40分で終わりです。このヴェネツィアに移り住んでずっとゴンドラに乗って街を眺めながら昼寝でもしていたいですが,貧乏な私には無理な話です。このゴンドラ乗るのも結構いい値段しますしね。降りる時にチップを渡し,ゴンドラ乗り場を後にしました。
もっとこのヴェネツィアにも行きたいところはいくらでもありますが,残念ながら時間がありません。あっという間の時間でした。名残惜しいですが,ヴェネツィアとももうこれでお別れです。行きに来た船と同じ船でまたトロンケット港に戻ります。
帰りは荒れ過ぎて写真を撮る余裕がなかった行きとは違い,余裕を持ってヴェネツィアの町並みを目に焼き付ける事ができました。
このヴェネツィアという町で一番多い観光客は日本人だそうです。アメリカ人や中国人やフランス人等,他の国の観光客はオフシーズン(冬)は絶対に来ませんが,日本人だけはオールシーズン来るそうです。そのためヴェネツィア人にとっては日本語は非常に重要な言語となっており,他のイタリアの都市とは違って,いろんな店でも結構日本語が通じてしまいます。イタリア語や英語に不安のある方はヴェネツィアを第一候補としても良いかもしれませんね。私ももっと天気が良ければもっと良かったのに…と本当にそう思わずにはいられません。
ヴェネツィアを総括したところで,メストレからバスに乗り,アウトストラーダというイタリアの高速道路で次の街フィレンツェへ向かいます。ちなみにヴェネツィアからフィレンツェに向かう途中に通るボローニャという街で,私が通った5日後くらいにM6.0くらいの地震が起きて日本でもニュースになっていたそうで,帰ってからよくその事を心配されたり聞かれたりしました。時間が許せばボローニャも行ってみたかったんですけどね。
そんな訳でヴェネツィア編は終わりで,次回からフィレンツェ編です。