海堂尊 ジェネラル・ルージュの凱旋(2007) ★★★★★

チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」に続く,現役医師・海堂尊のバチスタシリーズの第3作目です。ただし,時間軸的には「螺鈿迷宮」の前,「ナイチンゲールの沈黙」の裏で同時に起こってるという話です。

ドラマも見ましたが,今回は伊藤淳史の田口にもすっかり慣れて,最初から違和感なく見れました。西島秀俊の速水も原作からのイメージとマッチしてたし,ストーリーは原作とは全然違いますが,このドラマはドラマとして非常に興味深く楽しめるものだったので,ドラマもドラマでオススメです。

今回は文句なしに面白かったです。「螺鈿迷宮」のレビューの時に医療現場に密着した話の方がいいみたいな事を書きましたが,今回はバリバリの医療現場モノ,ICUの話です。やっぱり「チーム・バチスタの栄光」みたいにこの人は絶対こういう話のほうが面白いと思います。

最初の方は,またムリに殺人とか起こらないだろうな,とハラハラ読んでいましたが,途中からそんな懸念も忘れてすっかり物語に引き込まれてしまいました。やっぱり絶対この方が自然だし,何回連続で病院で殺人事件なんか起こるのかと思っていました。

キャラクターもひたすらまっすぐなジェネラル速水をはじめ,おなじみの人たちの強いキャラクターも健在。速水や白鳥がうざったらしい御託屋さんをバッサバサと切り捨てていくのもとても爽快。

ICU,小児科,産婦人科などの採算の取れない部署,そこの人間の葛藤など,作者の言いたい事もとてもひしひしと伝わってきて,とても考えさせられるお話でもありました。

これも自信を持ってオススメできる作品です。できれば,「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」「螺鈿迷宮」の3作を読んでから。


新装版 ジェネラル・ルージュの凱旋 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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