東野圭吾 使命と魂のリミット(2006) ★★★★

東野圭吾の医療サスペンスです。父の死をきっかけに医師となった主人公の病院に,「医療ミスを公表しろ」という内容の脅迫状が届いた事で,かつての自分の父の執刀医であり,現在の自分が師事し尊敬している医師でもある人物を疑い悩む人間ドラマです。

人には『使命』がある…………肉体的な小さき『命』なぞ超越した大いなる『使命』が!!

などという言葉は本作品中には出てきませんが,タイトルにも入っていますがとにかく「使命」という言葉がたくさん出てくるお話です。医者,刑事,エンジニア,いろんな職業の人間が登場しますが,人間は一体どんな「使命」を持っているのだろうか?そして彼らはそれぞれの「使命」を本当に果たしているのか?もし果たしていなかったらその結果何にどういう影響が生まれるのか?そんな「使命」から生まれたサスペンスドラマです。

これまでに医療物の作品のレビューをいくつも書いていますが,現役の医者である海堂尊や久坂部羊にリアルな医療話で勝負になるはずがないので,東野圭吾は人間模様の話で勝負です。設定できすぎだろうとか予定調和だなあという感も否めませんが,基本読みやすくて,筋が通ってて,自分の「使命」ってなんだろうな~と考えさせられる,読み応えのある作品でした。

自分の使命を探している,人生に迷っている人は読むといいかもしれません。


使命と魂のリミット (角川文庫)

スポンサーリンク
レクタングル大
レクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル大