ヨーロッパ旅行記 その8 イタリア・ピサ

前回の続きです。3日目の午後,フィレンツェで自由時間の中,ピサへ向かうべく,電車に乗るためにフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅へ向かいます。

サンタ・マリア・ノヴェッラ駅前まで来ました。写真は駅側から見たサンタ・マリア・ノヴェッラ教会ですが,駅側から見た姿の方が私は好きですね。

この駅前のずらっと並んでいる自転車は,レンタサイクル屋なのでしょうか。もしフィレンツェで一日自由行動するのであれば,こういうのを借りてもいいのかもしれませんね。

駅前では座ってひなたぼっこしている人たちが何人もいたのですが,結構気さくに声をかけてきます。「ニホン!ニホン!」「サムライ!ゲイシャ!」とか,とりあえず知ってる日本語をぶつけてきます。そういえばこの旅行中,中国人や朝鮮人に間違われる事は一度もなく,100%絶対日本人とバレてました。朝鮮人はともかく,中国人の旅行者は決して少なくないはずですが,やはり日本人の旅行者の方が多いのでしょうか?ともかくあんな奴らに間違われたら不愉快極まりないところですが,結構向こうの人から見てもアジア人の見分けはつくのでしょうか。

そんな事を考えながら,駅に到着です。

イタリアの駅は,入ってすぐホームがある事にまずビックリ。改札口はありません。タダ乗りし放題じゃん!と思っちゃいますが,もちろんそれを防止する仕組みがあります。後述します。

まずは券売機で乗車券を買います。これが自動券売機です。カードも使えます。

タッチパネルで選んでいくのですが,イタリア語の他に英語,ドイツ語,フランス語,スペイン語も選べるようになっています。もちろん日本語はありません。さすがにオールイタリア語は厳しいし,フランス語はグラン・ミロワール(大きい鏡)とか限定的な単語しか分からないし,ドイツ語は大学で1・2単位取ったけど完全に忘れてるし,スペイン語はバイオハザード4で出てくるような物騒な言葉しか分からないし,もちろん英語を選択します。

このイタリアの券売機は,やっぱり日本のJRの在来線みたいなものとは形式が違って,どちらかといえば新幹線の指定席を買うようなやり方です。まず出発駅を選びます。私の場合だと,サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(フィレンツェ中央駅)から乗ろうとしていたので,Fから探します。Firenze Campo Di Marte,Firenze Cascine,Firenze Rifrediなどいろんな駅が出てきますがその中から「Firenze.S.M.N.」を入力。そして,次に目的地のピサ・セントラーレ駅(ピサ中央駅)「Pisa Centrale」を入力。そうすると,直近の該当する電車の一覧(何時何分発,何時何分発…)とズラッと出てくるので,空いている電車から選びます。次に1等車両と2等車両と選びます。今回の区間だと,1等車両が9ユーロ,2等車両が7.8ユーロです。乗ってみましたが,1等でも2等でも席の質はほとんど変わりませんね。客層と混み具合が違うくらいでしょうか。

そんなこんなでチケットを買えました。でかい。本当に新幹線の指定席みたいなチケットです。日本にいた時にちょっと買い方を勉強しておいたくらいでしたが,思ったよりも順調にできました。フリーでガイドも日本語も誰も助けてくれる人はいませんでしたが,やってやれない事はないですね。高校卒業レベルの英語ができれば何とかなりますね。他にもどこの国だか知りませんが何か券売機で困っている人がいましたが,通りすがりのイタリア人が助けてくれてたりもしたので,勉強しなくても意外と何とかなるかもしれませんね。

そして,イタリアでは前述の通り,改札口がないので切符なんか買わなくたって電車に乗れてしまうのですが,電車に乗るとしっかり車掌が検札に来ます。その際に切符を持っているだけではダメで,列車に乗る前にこの自動検札機で乗車時刻を打刻しなければなりません。打刻していない場合,怒られて35ユーロくらいの高額の罰金を取られます。そんなん知らなかったら絶対やりませんよね。しかもこの打刻マシン,ここにあるよとかサインもないし,小さくて全然目立たないのも,イタリア人の罠なのでしょうか。まあ聡明な私は事前に調べて抜かりなく打刻しましたがね!

とまあ,ここまでは順調だったのですが,ここからどこのホームに来る電車に乗ればいいのかが分かりませんでした。何かどのホームにどの電車が来るのか決まってないみたいで,飛行機みたいに到着する何分か前に電光掲示板にどのホームに到着するか表示されるんですけど,見方がよく分からなかったんですよね。何番線にどこ行きの何分発の電車が来る,というのは読めるのですが,Pisa Centrale行きなんてないんですよね。そう,路線図も何も持っていなかった私にはどこ行きがPisa Centraleに行くのかが分かりませんでした。というかこの国には路線図というものがないようです。事前に勉強した記憶によれば,確かリボルノ行きに乗ればピサに行けるはずだったのですが,本当に間違いないか路線図で調べようと探していたら,乗ろうと思っていた電車は行ってしまいました。

仕方がないので切符を買い直しました。しかし,今度はギリギリの時間の電車を狙い過ぎて,また乗り遅れてしまいました。さらに切符を買い直そうと思いましたが,今度はリボルノ行きがない。ボローニャ行きに乗るのか?ローマ行きに乗るのか?私のカンでは,あの電光掲示板に表示されているGrosseto行きとかいうのがあやしいが,そもそもGrossetoというのはどこなのか?私は聞いた事がない。しかしこれ以上失敗して時間を無駄にはできない。いくら探しても路線図もないので,仕方なく駅員と思しきお姉さんに聞きました。英語・筆談・ボディランゲージ全てを駆使して,あのGrosseto行きで間違いないという事を聞き出す事ができました。何とか英語が通じてよかったです。Grossetoというのはグロッセートっていう街で,フィレンツェの南のシエーナのさらに南に位置する,トスカーナの一部のようです。ピサがフィレンツェの西で,リボルノがその南,そのさらに南のグロッセートって感じでこの列車は走っていく,というようなニュアンスの事を駅員さんは言っていた気がします。

しかし,イタリアの切符の買い方が新幹線の指定席みたいな買い方だったので,「切符と乗る電車は1対1になっている,電車を乗り過ごしたらまた新しく切符を買わなければならない」と思い込んでいた私はこうして3回も切符を買ってしまったのですが,これは本当に無駄買いでした。イタリアの券売機は指定席を買うみたいなUIでありながら,指定席でも何でもなかったんですよね。たとえば11時発の電車のチケットのボタンを押して買ったとしても,別に11時発の電車に乗らなければならない訳ではない(ただし打刻してしまった場合は著しく使用期限が縮むみたい)という事をこの3回の無駄買いで勉強しました。オプショナルツアー代金よりは安いとは言え,高い勉強代でした。

そんなこんなで相当苦労したとは言え,ようやく次に来る電車に乗る事ができそうです。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅のホームはこんな感じです。簡単に線路に降りられそうだし,誰も駅の人が見張ってたりはしてないようです。

自販機もちょっと日本とは違いますね。

電車が来ましたが,落書きされています。消さないのだろうか?

ドアは日本みたいに全部のドアが自動で開くのではなく,半自動というか,自分でレバーを引かないと開きません。人が多い時は誰かが開けてくれるんでしょうが,客が少ない場合は自分でやらなければなりません。閉じるのは自動です。

座席は2等車両でこんな感じです。2等は結構混みました。イタリア人みたいな人は結構陽気でよくしゃべって明るいんですけど,黒人の人も結構乗ってて,そういう人は大抵無口で目がギョロッとして何考えてるか分かんなくてはっきり言って怖いですね。別に何もされませんでしたが。

電車が動き出してフィレンツェから出ると,ホント田舎って感じでしたね。しかし,イタリアの電車ってアナウンスもしなければ,車内に次の駅がどこかっていう表示もなければやっぱり路線図もない。駅にも駅の名前が日本みたいにあちこち書いてないし…っていうか大抵その駅に1ヶ所しか書いてなかったように思うし,その駅の前の駅や次の駅がどの駅っていう表示もありませんでしたので,行きの電車では風景を楽しむ余裕はあまりなかったですね。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅で駅員さんに教えてもらったとは言え,やっぱりまだこの電車で合っているのだろうか?という自信はあまりなかったですしね。

あと,改札はやっぱり来ました。打刻もバッチリしてあったので罰金はもちろん取られませんでした。しかしフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からピサ・セントラーレ駅までだいたい13駅くらいだったと思いますが,6・7駅くらいまで来なかったので,2・3駅くらいだったら無賃乗車できてしまうのではないでしょうか。やろうとは思いませんがね。

何とか乗っていた電車でピサ・セントラーレ駅に到着しました!1時間~1時間半くらいかかりました。結構長かったです。いつになったらこの駅に着くか分からないので常に外を見張っていて,やっと「Pisa Centrale」の文字が見えた時は本当にうれしかったですね。

駅の外に出てみると,「Stazione Pisa Centrale」。どうやら間違いないようです。スデに16時半を回ってしまっていましたが,まだまだかなり明るいです。この国はやっぱり緯度がだいぶ北なので,私が行った時期は20時とか21時でもまだまだ昼間みたいに明るかったです。いくら明るくてもそんな時間はほとんど店も観光地も閉まっちゃうんで,あまり行動はできませんけどね。

駅前はこんな感じ。

この駅からピサの斜塔までバスで行けば10分かからないらしいのですが,歩いても20分くらいなのでピサの街並みを自分の足で楽しむために歩いていきます。

フィレンツェにも流れていたアルノ川も流れています。

ちなみに,ピサ・セントラーレ駅からピサの斜塔まで最短距離で歩いていこうとすると,結構裏路地みたいなあまり人がいないところを通ってしまうんですが,これは通ってしまった私の経験から言えばやめた方がいいですね。というのも,結構黒人の怖い感じの人が露店やってて声かけてくるんですよね。その時人がいなかったり,暗かったりしたら何かあるかもしれないし,君子危うきに近寄らずで,やっぱりバスで行くか,徒歩で行くにしても大きい道を選んで行った方がいいですね。私の場合は「凄みだ…こ……こいつ凄みで!わたしの攻撃を探知したんだ…」と向こうも分かってくれたみたいで,何もなかったからよかったですけどね。

しかしいろいろ苦労しましたがとうとうピサのドゥオモ広場に到着!ピサの住宅街みたいなところからいきなりこの広場に出るので,この斜塔も遠くから見える事もなくて,ここに出た途端ドン!と鎮座しています。ピサの斜塔も生で見ると思った以上に傾いている!

近くで見ても傾いている!ちなみにピサの斜塔に登るには事前に予約が必要ですが,今回は登る事が目的ではなかったので予約していません。オプショナルツアーでも登る事はできませんので,ピサの斜塔に登りたい!って人は渡航前に予約しておいて,私のように電車なり何なりでフリーで自力で来なければなりませんので注意です。

このピサのドゥオモ広場は,ピサの斜塔ドゥオモ洗礼堂の3つからなりますが,ピサの斜塔だけでなくこのドゥオモもロマネスクの立派な建物です。

ピサの斜塔とセットで見ても美しい。芝生も美しい。私も来年はこのくらいキレイな芝生を植えてみたいものです。

洗礼堂。ドゥオモも洗礼堂も私は時間がなかったので外から眺めただけですが,オプショナルツアーであれば中に入れます。もちろん自分で来てもお金を払えば予約不要で入れますけどね。

建物の中に入らない代わりに,ここに来たら誰でもやるであろう,あの「ピサの斜塔を支えたり倒したりしてる写真」を撮り倒しました。アップはしませんけどね。他の世界中の観光客もみんな同じ事ばかりやってておもしろかったです。フリータイムの時間も惜しいので,ドゥオモ広場の露店を冷やかしながらフィレンツェへ戻ります。

帰りはもう慣れたもので,楽々何のストレスもなく戻れました。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅は終点なので,よっぽど酷い間違い方をしなければ誰でも行けると思います。

急いで戻ったつもりでしたが,フィレンツェへ着くともうスデに20時を過ぎてしまっていたので,残念ながらフィレンツェの街を再び探索する時間はなく,夕食にする事にしました。

入ったお店はフィレンツェのちょっと奥まったところにある,La Spada(ラ・スパーダ)というグリル系が売りのお店。メニューが全部イタリア語(とちょっと英語)で,頼んでから何が出てくるかドキドキでした。

出てきたのはきのこのリゾットと,

チキンのなんか焼いたやつ。

今見るとおいしそうなんですけど,この時は移動の疲れと昼のぼったくりジェラートの影響で,お腹もあんまりすいていない…。っていうかちょっと胃がもたれて気持ち悪くて,あまり食べられませんでした。本当にあんなバカでかいジェラートなんて食べなければよかった…もったいない。隣の席では現地の人なのか,小学生くらいの女の子が前日私が食べたものの5倍くらいはありそうなバカでかいビステッカ・アッラ・フィオレンティーナをおいしそうに食べていたので,本当にもったいなかったです。

飲み物も酒じゃなくて水にしました。左のパンはここだけじゃなくてイタリアのレストランでは結構どこでも置いてあるやつです。名前は何て言うんでしょう。とにかくパサパサであまりおいしいとは言えないパンです。

この日は前日と同じスターホテル・ミケランジェロに連泊だったので,ホテルに帰ったら,非常になじみのある番組がやっていました。もちろん声優も違うし,しゃべってる言葉はイタリア語で何を言っているか分からないのですが,こんな遠くに来てもこんな日本のものを放送しているのだなあとしみじみ思いながらこの旅行の3日目が終わるのでした。

次は4日目に続きます


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