伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー(2003) ★★★★★

映画化もされた,外国人留学生とその彼女とチョーイケメンの3人と,連続動物虐待犯との話です。TVで放送された際に映画版も見ました。

とにかく悲しくて切ない話でした。現代と過去(2年前)の話を交互に繰り返してだんだん繋がりが見えてくるという,よくありがちなパターンの話の構成ですが,読みながらたった2年で登場人物とかいろいろ変わってしまってて,みんなこんなに変わってしまうのか,ほんわか~とした世界がここまでぶち壊されてしまうのか,それも人間のクズの中のクズみたいな奴等のせいで…と,とてもやりきれなくなります。読んでてかなりダークな気分になってしまう作品です。あの人間のクズみたいな奴にもっと罰を与えた方が溜飲が下がったのではないか,と思わずにはいられませんでした。あとは,ちょっと先が読めてしまうのが少し残念といえば残念でした。

この物語の核心にも関係するので詳しくは書かないのですが,当時この原作を読んだ際には,「一体どうやってこれを映像化するのか?」という疑問があったのですが,意外とうまい事映画はつくってありました。映画の出来は特に可もなく不可もなくといった感じです。

ヒマつぶし作品が多く,話の中身がほとんど頭に残らない伊坂作品の中では珍しくしっかり内容を覚えている作品で,私の中では結構お気に入りの作品です。


アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

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