「鈴木」「鯨」「蝉」を主人公とした,裏稼業の人間たちの話です。もちろん主人公は動物や虫ではなく,全員人間です。
いつもの伊坂小説と同じで,複数の登場人物の話が別々に展開していって,だんだん交錯していくというよくあるパターンの話です。いつものようにテンポがよくてサラサラ読みやすいです。いつもとは違うのがちょっと暗い裏社会の話っていうくらいで,後はいつもの伊坂作品と同じです。読みやすいけど頭に残らない,引用や自分に酔ったような表現が多い,ヒマつぶし用の本ですね。
これは別につまらないと言っている訳ではなく,この人はこういう作風なので,ちょっと時間ができた時や寝る前等の時間つぶしに最適なのです。