東野圭吾 聖女の救済(2008) ★★★★

2008年秋に出てすぐ読んだ,2冊同時発売のガリレオシリーズの1つ。「ガリレオの苦悩」の方はいつも通りの短編集ですが,「聖女の救済」の方は倒叙物の長編です。

被害者が毒殺された時間,容疑者には鉄壁のアリバイがあった。どうやってその鉄壁のアリバイを崩していくか?容疑者に惹かれつつある草薙刑事はどうするのか?コンビの内海刑事や湯川はどう事件にアプローチしていくのか?

いつもは天才物理学者湯川が淡々と理工系トリックを解き明かして終了という流れですが,今回はまさに「女性は産む機械」みたいな話もあって,比較的容疑者や草薙刑事の心理描写がなされていて,感情移入する部分も他のガリレオシリーズに比べればあると思います。

最後まで読むとタイトルの意味が分かってなるほどと思いました。「おそらく君達は負ける。僕も勝てないだろう。これは完全犯罪だ」という帯の意味も分かってなるほどと思いました。ただ,「容疑者Xの献身」を超えるものではなかったかな,というのが個人的な感想です。


聖女の救済 (文春文庫)

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