伊坂幸太郎 SOSの猿(2009) ★★★

なかなか一言で説明するのが難しい話なのですが,困った人を見捨てられない主人公が,引きこもりの悪魔祓いをお願いされる話です。

困った人からのSOSをどうしても無視できないお人よしの主人公・遠藤二郎は,ただの家電量販店店員という表の顔とは別に,かつてイタリアで悪魔祓いの修行をした事もあるエクソシストという裏の顔も持っていました。そんな二郎に,親戚の引きこもりを何とかして欲しいというお願いが舞い込みます。二郎が引きこもりに対して悪魔祓いをすると,なんとその親戚には孫悟空の分身が取り憑いていました。そんな孫悟空の分身を名乗る引きこもりの親戚の口から,ある会社の大量誤発注の調査をする男についての話が語られます。その猿が語る「猿の話」は現実に起こった話なのか?そんな「猿の話」と二郎が調査・検証する「私の話」が交互に進められる作品です。

「猿の話」に出てくる,物事の原因を突き詰められずにはいられない男・五十嵐の話は結構おもしろかったんですが,「私の話」が序盤あまりに面白みがなく,進めるのが結構苦痛でした。オチも予想範囲内であまり衝撃もなく,個人的にはそれほど高得点は付けられない作品だと感じました。


SOSの猿 (中公文庫)

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