海堂尊 ナニワ・モンスター(2011) ★★★
関西最大の都市・浪速市を舞台とした話。パンデミックの話から始まり,時事ネタっぽい政治色の強い話が続き,またAiにつながって発散して終わります。
Survival is your responsibility.
ネオ維新志士の集い管理者のブログです。
関西最大の都市・浪速市を舞台とした話。パンデミックの話から始まり,時事ネタっぽい政治色の強い話が続き,またAiにつながって発散して終わります。
「極北クレイマー」の続編です。前作からの極北市での物語も,一応この作品で完結となっています。
コールドスリープをテーマとした,海堂作品としては異色の医療SFです。「ナイチンゲールの沈黙」「医学のたまご」ともリンクしています。
海堂尊の田口・白鳥シリーズの第5作です。エーアイセンター立ち上げにあたり,田口と白鳥のコンビがAiを快く思わない警察官僚と戦う最中,東城大学病院でまたしても殺人事件が発生してしまいます。
北海道の財政難にあえぐ地方都市・極北市にある極北市民病院を舞台とし,そこに派遣された医師・今中良夫を主人公とした作品です。財政の苦しい地方医療の崩壊をテーマとしています。
「ブラックペアン1988」の続編です。タイトルの通り,前作から2年後の東城大学病院を舞台としています。前作と同じ特徴的な黒の装丁が目立ちます。
「ジーン・ワルツ」の続編です。今回は代理母がテーマ。「医学のたまご」の主人公の出生の秘密にもリンクしています。
前作「ジェネラル・ルージュの凱旋」に引き続く,田口・白鳥コンビが登場するバチスタシリーズの4作目です。厚生労働省を舞台とした,医療事故調査委員会創設検討会という会議を巡る話です。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」の速水晃一と「ジーン・ワルツ」の清川吾郎の学生時代の青春剣道話です。医療とかは全く関係のない,外伝的な話です。
いつも魅力的なキャラクターたちを使ってさりげなく(?)医療の世界の暗部にスポットを当てていく海堂作品ですが,この「死因不明社会」はそのタイトル通り現代の死因究明制度の欠陥に対し,バリバリの作者の思想が書かれた本です。白鳥が登場していたりもするものの,エンターテイメント成分はほぼゼロのマジメ本です。作者の海堂尊は本当はこの「死因不明社会」をいつか書くために,小説で婉曲的に医療の問題点を取り上げていたらしいです。