Alfa159 6か月

すっかりブログを書いてない間に納車から約半年が経過し,納車してから約1万kmの距離を走り,大体この車にも慣れてきました。実はこれまでの6か月のうち2か月は入院していて乗っていないんですけどね!致命的なアレではないんですが,ちょいちょい壊れています。まあ中古車だし,昨年は膿出しの期間という事で今年はもうないと信じております。まあそういった書いていなかった故障の記事もそのうち書くとして,この半年乗ってみてのインプレッションを書いてみようと思います。

エクステリア(デザイン,質感)
もう,全く何の文句もありません。100点満点。とにかく美しい。カッコいい。どのメーカの最新の車と比較しても圧倒的に見た目が良く,同じアルファロメオで比較しても最近発売した159後継のジュリアよりも100倍はカッコいい。よって最新の車に対して引け目を感じる事も全くない。とにかく,いつ,どの角度から見ても美しい!ここだけは気に入らないんだよね~というところが全く,ただの1つもありません。国産車だろうがドイツ車だろうがどの車にも似ておらず,この車自体もほとんど走っていない。これ以上ない所有する喜びを得られる車です。どこの駐車場に停めても振り返って見たくなるし,会社で遅くまで仕事してポツンと待っているところでも,周りの車よりも圧倒的にオーラがあり,疲れ切っていても非常にテンション上がります。とにかく最高の見た目です。
インテリア(シート,フロアカーペット,内張り,合わせ部等の質感)
インテリアもエクステリアに負けず劣らずセンスが良く,私のtiというグレードは,専用のスポーツレザーシートを始め,黒を中心とした色使いに,アルミ削り出しのパネル,赤のステッチやディスプレイなど,スポーティでドライバーをやる気にさせるような雰囲気がすごくあります。かといって,国産車のようなやり過ぎ感やオモチャ感はゼロで,自信を持って誰にでも自慢できる出来です。樹脂丸出しの部分はほとんどなく,9割以上レザーやソフトパッドでできており,柔らかくて質感が良く,安物感がゼロです。こういう輸入車,特にラテンの車はチリとかが適当とかよく聞きますが,そういった部分も特に感じません。(もっとも,自分がもともとそういうところを気にしてないという事もあるかもしれませんが)非常に満足度が高いインテリアです。イタ車は手長猿みたいな変なドラポジをさせられるというイメージもありますが,この車はちゃんとチルトもテレスコもあるし,パワーシートもいろいろ調整できて,ちゃんとしたドラポジを取れます。
操作性(ノブ操作力,スイッチ配置,物入れ,シフトフィール,ラゲッジルーム)
アルファロメオは昔から伝統的にデザイン第一主義でエルゴノミックという言葉がなく,収納という収納はなく,使いづらい意味の分からない配置・使い方のスイッチが多く,この車も例外ではありません。グローブボックスは車検証も入れられないほど狭いし,ドリンクホルダーは1個(それもものすごく小さい)しかないし,ほとんど収納らしい収納はないし,ライトのスイッチは操作するとウインカーも誤操作しそうな位置だし,シートヒーターのダイヤルはシートのサイドサポートで見えないし,そもそもバックライトもないので位置関係なく夜だと見えないし。なので,国産の死ぬほど収納がある車とかがいい人には,非常に不満を感じるのではないかと思います。トランクルームだけは,めちゃめちゃ広く,割と何でも積めるのではないかと思います。
乗降性
スタイル優先のセダンなので,乗降口は狭く,シートもサイドのサポート性の高いスポーツレザーシートなので,ハッキリ言って乗降性は悪いと思います。まあでもそんなの気にする人はそもそもこんな車選択肢に上がらないと思いますが。
居住性(室内広さ,シート座り心地,後席居住性)
Dセグの割と大きなセダン(4690x1830x1425)ですが,その大きさは室内のスペース拡大には寄与しておらず,基本的にタイトな室内です。フロントシートは十分にスペースがありますが,シートのサポート性が高く,デザインを優先してレッグスペースもそんなにありません。リアシートは我慢できないとか苦痛だとかいうレベルではありませんが,このサイズの車の割には狭いな,という感じです。もっとも,昔から伝統的にドライバー最優先のメーカなので,いまさら,という感じではありますが。
視認性(フロントの見切り)
ロングノーズショートデッキのフォルムなので,フロントの見切りは悪いです。最近の車は箱みたいな車以外はみんなそうじゃないのかな?私の場合は,前の愛車であるアクセラから比べると別に対して変わっていないので,気にしておりません。
動力性能・ドラビリ(パワー,ギヤ比)
エンジンはJTS(Jet Thrust Stoichiometric)と呼ばれるオールアルミの直噴NAのエンジンで,この車に載っているのは260馬力も出る3.2LのV6エンジンです。1760kgもの重い車体をグイグイ引っ張るには十分なパワーで,自然なフィーリングで高回転までちゃんと回るし,どのスピードレンジからでも余裕の加速でノーストレスで走れます。味付けはGT的,ドイツ車的で,ヘンに煽られる事やパワーが足りなくてストレスが溜まる,という事はほぼないので,高速を余裕のパワーで走るのが一番楽しい走り方ではないかと思います。車体は重いので,ストップ&ゴーではちょっと鈍重さを感じますが,踏んで回せば(燃費を捨てれば)余裕の加速です。ただ,アイシン製の6ATはどんどんシフトアップして燃費を稼ぐ最近の普通のATの味付けではなく,なかなかシフトアップしません。また,ちょっと踏み込むとすぐ高回転になって加速できる事は良いのですが,追い越し等が終わって加速が必要なくなってもなかなかシフトアップして回転を落としたりしてくれません。最近はやりのモード切替もできて,スポーツモードにもできますが,ノーマルモードでもこんな感じのやる気マンマンモードです。マニュアルモードにして自分でシフトコントロールすれば解消できますが,もうちょっと賢いセッティングか,テキトーに流すエコモード的なのがあってもいいのかなと思います。
燃費
買う前から分かっていた事ですが,残念ながら燃費は弁護の余地がないほど最悪です。3.2LのNAで四駆で1760kgもある,といえばまあそんなもんかなとも思いますが,最近の車なら,4Lとか5Lの排気量の車でも10km/Lくらい走れる車もあるのになあ,と思わずにはいられません。大体街乗りで5km/L前後,高速で8~9km/Lといった感じです。エアコンをガンガンに効かせて渋滞にハマったりなんかしたら4km/Lくらいになってしまいます。私が通勤に使っていると,エアコンを使う季節は5km/L台,エアコンを使わない季節は6km/L超える時もあるかな,といった感じです。私も燃費なんて大して気にしてませんが,さすがに悪すぎです。家族の視線が痛いです。みるみる燃料計の針が減っていきます。いくらそんな燃費なんてどうでもいい車やん,といってもせめて7km/Lくらいは走って欲しいよね…。もちろんハイオクです。最近の20km/Lだ40km/LだとかのHVや軽に乗ってる人は卒倒してしまうのではないでしょうか。マニュアルモードにして燃費最重視な乗り方もできるとは思いますが,そんなこの車の良さを全部スポイルした乗り方をしたところで稼げる燃費はたかが知れてると思うので,私の場合は諦めてだいたい平均5.5km/Lくらいで乗っています。もっと高速走行が多ければ伸びると思いますが,渋滞が多い乗り方なので。
操安性(ステアリング重さ,戻り)
ステアリングフィールは重めの味付けです。GT的,ドイツ車的なセッティングの車なので,高速安定性が非常によく,ステアリングを切っても自然でリニアな私好みの味付けです。高速でも安心して自分の思ったように曲がれるし,ロードインフォメーションを的確に伝えてくれると思います。クイックで過激なビシビシガチガチなレーシングカー的なフィーリングが好きな人や,国産の片手とか指一本でクルクル回せるのがいいんだよーという人には向きません。
乗心地(ゴツゴツ感,シート硬さ)
ti専用のスポーツレザーシートは,サポート性も高く,ヘンに滑ったり沈んだりという事もなく,長時間のドライブでも疲れません。サスは硬めで,タイヤも19インチなので,突き上げを食らう場面はたまにありますが,アクセラも割と硬めの設定だったし,特に違和感はありません。ロードインフォメーションを的確に伝えてくれる,適度にスポーティで快適な乗り心地かなと思っています。国産車に慣れた人とかには,あまり快適な乗り心地とは言えないかもしれません。
振動(アイドル時振動,低速時振動,ビビリ音,ステアリング振動,シフトレバー振動)
特に問題ありません。変な振動や異常なビビリ音はなく,それなりにシャシーや構造にはお金がかかっているのではないかと思います。もちろん,高級なコンフォート・ラグジュアリーカーと比べると劣るんでしょうけど,このテの車としては全く問題ないレベルかと思います。
騒音(遮音性,こもり音,風切り音,エンジン透過音)
前乗っていたアクセラがかなりロードノイズの大きい部類の車だったので,この159は非常に静かに感じます。ウインドーのガラスも結構分厚いし,シャシーも剛性が高く,重量や厚みを感じるだけあって,遮音もそれなりにちゃんとやっているように感じます。ちゃんと車内での会話も苦にはなりません。前のアクセラは中のオーディオの音がそのまま外に聞こえているくらいツーツーでしたが,この159は全くそんな事はありません。ただ,エンジンの重低音がこもったような音は中に侵入してきていますが,むしろちょっと物足りなくて窓を開けてもっと音を聞きたいくらいです。なので,静かな車とは言い難いかもしれませんが,特に車内はうるさい車ではないのではないでしょうか。もちろん高級なコンフォートタイプの車やラグジュアリーカーと比較すれば全く足りないですけどね。
制動(効き,踏み応え,ストローク,踏力)
走行性能で唯一気に入らないのがこの制動です。赤のブレーキキャリパーで見た目はスポーティで非常によいのですが,1760kgの車重のスピードを殺すには制動力が足りていません。もっとスパッと止まるのが私の好みです。欧州車と言えば,ブレーキダストはすごいけどよく止まるブレーキというのが私の認識ですが,この車はブレーキダストがすごい割に止まりません。重いからなのか分かりませんが,結構踏んでもあまりスピードが落ちないんですよね。最初はあまりの止まらなさにちょっと恐怖を覚えたくらいです。最近は慣れてきましたが,もしもっと性能が高いブレーキがあるのなら交換したいなと思っています。

いろいろ書きましたが,総じて言うと,デザインと走行性能だけにパラメータを振って,後はバッサリ捨ててる,これぞトレードオフだねという感じの車です。トヨタがやっぱいいよねとかいう世の大半を占める一般市民にはとてもオススメできませんが,細かい不満を消し飛ばすほどのデザインと走りに非常に満足しております。買ってよかったなあと今でも思ってるし,こういう車でなければ所有する意味などないかなと私は思っております。


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