ダン・ブラウン ダ・ヴィンチ・コード(2004) ★★★★★

映画化もされている大ヒット作です。私がこれを読んだのは2006年だったのですが,その年読んだ本の中で文句なしに一番面白かった本です。ただし,映画はとんでもなくつまらないのでご注意ください。短い時間にあまりに詰め込みすぎて,原作読んでないと理解不能だし,原作読んでても本当に面白くないです。映画を見てつまらなかったから原作を読むのを敬遠していた,という人がいれば機会があれば原作を手にとって読んでみてください。

説明するまでもないであろう,かつての話題の本です。私は結構ひねくれているので,大体こういう売れてる本とか映画って読んでみると「なんでこんなものが売れているのだろう?」っていう評価になるのですが,これは本当に面白かったです。ダヴィンチやキリスト教にまつわる事件に巻き込まれてしまった主人公・ロバート・ラングドンたちのミステリーとサスペンスのお話です。

以前読んだ「数学的にありえない」がこの「ダ・ヴィンチ・コード」系のサスペンスって話だったから読んだのですが,はっきり言って全然比べ物にならないくらいこの「ダ・ヴィンチ・コード」の方が面白いです。確かにサスペンスっていうくくりでは同じで,「数学的にありえない」が数学・科学系サスペンス(もしくは理系版ダ・ヴィンチ・コード),「ダ・ヴィンチ・コード」が宗教・歴史系サスペンス(もしくは文系版数学的にありえない)といったところでしょうか。恐ろしい数の伏線をどんどん回収し,全然関係なさそうな点をどんどん繋げていくストーリーテリングは「数学的にありえない」の方が上かもしれません。しかし,やっぱり根底にあるものが,「数学的にありえない」は確率論とか量子力学とかもはや哲学っていうものだから,「ふーん。まあ,そうなんだ」くらいのなんとな~く納得したレベルの理解しか,私のようなフツウの人にはできないと思います。しかし,この「ダ・ヴィンチ・コード」は門外漢でも読めます。宗教や美術とは全く縁遠い私でも非常に興味深く読めました。別に深い知識は必要ありません。誰でも知ってるモナ・リザとか最後の晩餐とか,知らないような言葉には丁寧に記述されてて読めば分かりますし,やっぱり物語への入りやすさが全然違うと思いました。

この作品って「キリスト教を冒涜してる」とかすごい問題になってるらしいのですが,確かにそう言われてもしょうがないか,と内容的には思います。別に私としては,この本に書かれてる事が真実だろうと真っ赤なウソだろうとどうでもいいのですが,上下巻共に冒頭に「全て事実に基づいている」なんて書いてあるから問題になっているのだと思います。この物語はミステリーとしてもノンストップ・サスペンスとしても純粋に面白いのですが…。

ここまで全然ストーリーに触れていませんが,読んでくださいとしか言えません。それも,一切外部からの情報をシャットアウトして予習も何もしないで読んだ方が絶対後悔しないと思います。本当にノンストップ・サスペンスって感じでハラハラしながら一気に読めます。いつも売れてるものに対して文句ばっか言っていましたが,やっぱり売れるものは売れるべくして売れてるのもあるのだという事を実感しました。


ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

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