奥田英朗 ララピポ(2005) ★★★★

この人はこういう複数の主人公の各ストーリーを展開→最後で実は全員繋がっている,という話が好きなのかどうか知りませんが,この作品もそういう話です。他の奥田作品と比べて違うのは,とにかく黒い。エロい。という事。こういうのも書くんだ,と当時は思いました。

対人恐怖症のフリーライター,風俗専門のスカウトマン,主婦兼AV女優,NOと言えないカラオケ店員,文芸コンプレックスの官能小説家,デブ専裏DVD女優のテープリライター…神はなぜ,この者たちに生を与えたもうたのか?と言わずにはいられないほどとにかくダメすぎる,いわゆる「負け組」な人たち6人の短編集。といっても6人は相互にリンクしていて,1つ1つの話は全部繋がっている。

とにかく下ネタばかりなので,職場や学校や満員電車等,人目が気になる場所で読む事はオススメできませんが,世の中のどうしようもない不公平さや,いろいろと考えさせられるメッセージも送られている,黒くて重い作品です。人によっては,これはどうしようもないなと思う人もいるかもしれません。はっきり好みの分かれる作品かもしれません。

帯には「最新爆笑小説,誕生!」って書いてありますが,爆笑なんてものでは全然なく,むしろブラックジョーク的な,ひたすら黒い笑いが続きます。マジメに読んでいくと,とてもダークな気分になってしまい,気分が落ちてしまいますが,最後にはちゃんとすっきりするのでご安心ください。


ララピポ (幻冬舎文庫)

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