今回はF-PACEのSグレードの標準装備のうち,他のグレードでオプション装備が可能なものをピックアップしていきます。Sで標準装備だけど他のグレードでは装備できないもの(たとえばレッドのブレーキキャリパーなど)は除きます。以前書いたグレードの説明記事と合わせて,どのグレードを選ぶべきなのか参考になれば幸いです。
- コンフィギュラブルダイナミクス
- エンジン,ステアリング,ギアシフト,サスペンションなどのセッティングの味付けを変更できるオプション装備です。ただしサスペンションのセッティングを変えられるのはアダプティブダイナミクス装備車のみです。私のSでも標準装備されていますが,実はまだ使った事がありません。実はコレ,ダイナミックモードでしか使えなくて,標準モードやエコモードでは使えないので,非常に使いにくいし試しづらいんですよね。標準モードでも使えたらよかったのに…。Pure,Prestige,Portfolioでオプション装備となっています。オプション価格は32,000円です。
- アダプティブダイナミクス
- いわゆる電子制御可変サスペンションで,1秒に500回車体の動きをモニタリングしてイイ感じのサスペンションセッティングにしてイイ感じのダンピングにしてくれるらしいです。私はしっかりこのアダプティブダイナミクス有無を比較して乗り比べている訳ではないのでコレの恩恵がどのくらいか分かりませんが,評論家の記事とかではこの効果が絶賛されています。私としても前車がダンピングがダメダメなRCZだったのもあったかと思いますが,このアダプティブダイナミクスのダンピング性能に全く不満はありません。SとSVRのみ標準装備で,それ以外のグレードはオプションです。ただしアダプティブダイナミクスのみの追加は不可で,アダプティブダイナミクスパックというセットオプションでしか装備できず,セットオプション価格は206,000~237,000円です。
- 350mmフロントブレーキ
- その名の通り350mmのフロントのブレーキディスクです。Sなどの20インチのタイヤが標準装備のグレードで標準装備です。見た目的には20インチでしっくり来るくらいのサイズ感ですが,Sを乗った感想としてはブレーキ力はもうちょっと欲しいなあというのが個人的な感覚です。オプション価格は59,000円です。
- オートハイビームアシスト
- ロービームとハイビームを自動で切り替えてくれる,世間的には最近標準装備されている事が多くなっている装備です。Pure,Prestige,Portfolioはオプション装備で,それ以外は標準装備です。私はこのF-PACEで初めて体験しましたが,確かに自動で変わってくれてオッという感じでちょっと感動しますね。正直なくても何も困らない装備ですが,なかったらないで他社から見劣りしてしまうのでナシにはできない系装備といった感じでしょう。F-PACEとしては,結構大きなバイパス的な道路で,結構スピードを出して対向車が本当に全然いない時でないとハイビームにならない感じです。オプション価格は30,000円になります。
- フロントフォグランプ
- 名前通り,普通のフロントフォグランプです。F-PACEは細長いデザインです。正直,こんなのオプションじゃなくて全グレード標準装備にしろよと思いますが,Pure,Prestige,Portfolioではオプション装備となっています。オプション価格は35,000円になります。
- アダプティブLEDヘッドライト(シグネチャーDRL付)
- これも最近は当たり前装備になってきている,周囲の状況に応じてLEDを部分的に点灯したり消灯したりする機能。RCZもありましたが,あれはLEDではなくHIDだったので,曲がる時に目がギョロギョロ動いていましたが,F-PACEはLEDで確かに曲がる時にその方向のLEDが点いたりするのが分かります。シグネチャーDRL付とありますが,確かにジャガーのJのシグネチャーは付いていますが,今はやりのデイライトの機能はありません。なぜDRLと謳っているのでしょう?Pure,Prestige,Portfolioではオプション装備で,オプション価格は88,000円です。
- 20インチ “スタイル5035” 5スポーク(グロスグレイ,コントラストダイヤモンドターンドフィニッシュ)
- S標準のアルミホイールです。アルファのようにそんなとんでもなくカッコイイホイールではありませんが,カッコ悪くもなく,私としては特に不満のないデザインです。掃除もしやすいです。他のグレードでもお金を払えば装備できますが,そのグレードの標準装備のタイヤサイズの差で払う差額が変わります。R-Sportだと230,000円で,Pure,Prestige,Portfolioだと384,000円です。私の感覚では,ジャガーのホイールは別にデザイン的には悪くはないのですが,アルファみたいにどうしてもコレが付けたい!っていうほどカッコイイホイールがある訳ではないので,ハッキリ言ってこんな高額なオプション価格を払ってまで付ける価値があるとは思いませんが…。普通のそのグレードに標準装備されているホイールを履いたままでいいかな,と思います。
- トリムフィニッシャー(メッシュドアルミニウム)
- ドアトリムとかのメッシュドアルミニウムのフィニッシャーです。意外とこういう細かい意匠がオーナーの満足感につながるところだとは思いますが,オプションでお金かけてまで変えるかは私は必要ない気がします…。メッシュドアルミニウムはSやSVRのみ標準で,他のグレードではグロスブラックだったりエッチドアルミニウムだったりしますが,44,000円のオプション価格で変更可能です。
- ヘッドライニング(エボニー)
- ルーフやピラーの内張りが,スエードのしっとりした素材になります。コレはSやSVRでは標準で,私のF-PACEも装備されているのですが,正直最高ですね。写真ではよく分からないと思いますが,コレがあるだけでグッと高級感が出て,乗り込む時に息を飲んじゃいます。コレがあると乗ってもらった人にすごくイイ車だと思ってもらえるのではないでしょうか。オプション価格は61,000円ですが,その価値は十分ある装備だと思います。最近の改良で全グレード標準装備となったという話も聞きます。間違いなくブランドイメージが上がるのでそうすべきだと私も思います。
- パワーテールゲート
- いわゆる電動テールゲートで,ワンタッチでテールゲートが自動で開閉します。今まで手動の車しか乗った事なかったし,当たり前のように手で開け閉めしてたし,それが不便だと思った事もありませんでしたが,これが電動になるとこんなに便利だったとは…。ボタンを押すと2~3秒で開閉するのですが,その間に子供をシートに乗せたり荷物を運んだり,家の施錠したりとか,他事ができるのが便利ですね。コレを経験しちゃうともう手動には戻れないな…。PureとPrestigeのみオプションで,それ以外は標準装備です。オプション価格は89,000円。
- キーレスエントリー
- ジャガーのキーレスエントリーはキーを持ってドアハンドル内側に触れるとアンロックして,ドアハンドル表面の特定位置に触るとロックするタイプです。今までマツダみたいにドアに付いた鼻くそみたいなボタンを押してロック/アンロックするタイプとか,159やRCZみたいなキーに付いているボタンを押してロック/アンロックする車しか経験してきませんでしたが,このF-PACEのような静電容量式のタイプは初めて経験しましたが,何か個人的には先進的な感じで満足感は高いです。PureとPrestigeのみオプションで,それ以外のグレードは標準装備です。オプション価格は153,000円です。高!
- 追加電源ソケット
- センターコンソールボックス裏側にUSBソケットが2つ付きます。Pureのみオプションです。オプション価格は5,000円だし,こんなところ分けて作る方がコストかかるのでは…。
いかがでしょうか?(←これ1回使ってみたかった)
え!?この値段の車でこんなのすら付いてないの!?っていうのがおそらく皆さんの正直な感想ではないでしょうか。国産車の同クラスで当たり前に付いている装備がオプションになってて,それを付けると結構なお値段になってしまいます。そういう意味でもジャガーは価格のこなれた中古を選ぶというのは合理的だし,コレを新車で買えるのはホントに余裕のある人なんだなあと格差社会を痛感します。また,上記のオプション装備はお金の力でどうにかできるもののみで,お金の力でもどうにもできない装備差もいっぱいありますので,F-PACEを検討中の方はしっかりグレード感の装備差が許容できるのかしっかりチェックした方が良いでしょう。
こうしてみると,やはりジャガーはオプションを付けていくとどんどんオプション価格が膨らんでいく,オプションでしっかりお金を取られるブランドだと実感します。ポルシェはもっとえげつないですけどね。
同じ輸入車でもBMWとかだと何でも標準装備で悩む必要がないので,オプションで悩むのが嫌な人はそういう選択肢もあります。(まあ,F-PACEを本気で検討している時点でそんな割り切れないと思いますが。)
2019 – 2020 年 プレミアム SUV のすべて (モーターファン別冊 統括シリーズ Vol. 118) (日本語) ムック – 2019/7/29